崩壊熱経過時間変化 | |
JNESで解析に使用しているものは、ANSの崩壊熱カーブ.以下の報告書に記載。(a) ANS の軽水炉用標準規格(ANSI/ANS-5.1-1979 の崩壊熱曲線)は、「06解部報-035停止時レベル2PSAの検討(BWR)」の2-18ページ | |
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2.2.2 崩壊熱特性 通常運転時の内的事象に対する崩壊熱特性に関するMELCOR デフォルト値として標準的に崩壊熱曲線として使用しているデータは、サンディア国立研究所において、ORIGENコード(2)を用いて、設備利用率80%、燃料集合体は3 年または4 年間炉内にあり平衡サイクルに達した炉心条件を想定して、熱出力3,578MWt(電気出力120 万KWe クラス)のBWR を対象に計算した結果(3)である。 崩壊熱を模擬する期間は、原子炉停止後10 日間としている。 一方、プラント停止時の事故進展解析では、解析対象のプラント状態によって、原子炉停止からの時間が大幅に異なる。定期検査期間(本検討では、原子炉停止後16 時間〜73 日12 時間)中を対象としているため、約80 日強(2,000 時間)程度の範囲を模擬する必要がある。 このため、MELCOR の崩壊熱特性として、ANS の軽水炉用標準規格(ANSI/ANS-5.1-1979 の崩壊熱曲線)に基づいて計算した結果(4)を、本解析では使用した。両者の比較図を図2.5 に示す。 |
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POS-C (C1、C2) での崩壊熱除去失敗、補給水失敗において、両者を比較する。 (1) POS-C1 の期間は、原子炉が停止してから、43 日後〜57 日、原子炉水位は通常水位、RPV ヘッド開放、PCV ヘッド開放されているため、ブローアウトパネル開放(約53 時間後)による減圧効果により、炉心最高温度が一時的に減少し、炉心冷却効果が大きくなった。 その結果、除熱効果が増して、POS-C1 では炉心の一部が崩落しない結果になった。 (2) POS-C2 の期間は、原子炉が停止してから、57 日後〜61 日、原子炉水位は通常水位、RPV ヘッド閉、RPV ヘッドベント開放、PCV ヘッド閉鎖(運転員ハッチ開放(ドライウェルとウェットウェル)、機器ハッチ開放)されており、サプレッションプールでの除染効果が大きい。 原子炉建屋やドライウェルでの沈着効果が相対的に少ない。また、炉心損傷するタイミングでの圧力容器の減圧はなく、減圧による冷却効果がないため、POS-C2 では炉心全体が崩落する。 その結果、水素の発生量が、POS-C1 の約2 倍発生し、水素燃焼のタイミングが早く(67.8hr)なるとともに、炉心最高温度が高く推移した。 図B.1 には圧力容器の圧力、図B.2 には水素の炉心部での発生割合、図B.3 にはCsI の存 在量割合を示す。 |